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むち打ち症・全身の痛み…後遺症かな?と思ったら
「むち打ち」とはどんなもの?
交通事故による傷害で一番多いのが「むち打ち」です。
むち打ちとはどういうものか、ここで簡単にご説明します。
むち打ちとは、まさにムチで打ったように首が激しく前方屈曲と後方伸展を起こし、関節の許容範囲を超えた過度の動きが加えられたことにより、患部に炎症を起こし、首や肩に痛みや腫れを感じる症状のことです。
重い頭を支え、前後左右に柔軟な動きをする頸部は、衝撃に弱い部位でもあります。ですから、不意に外から強い衝撃を受けると損傷しやすく、その損傷によってさまざまな症状が出てきます。
交通事故では、正面衝突した場合、追突された場合、側面から衝突された場合というように、事故の起こり方によってむち打ち症の起こり方も違ってきます。
不意に強い衝撃を受けると、首はむちのようにしなる
いちばん多い後ろからの追突事故の場合を考えてみましょう。追突されると、身体は前に押し出されますが、その反動で首が後ろに倒れ、さらに大きく前に屈曲します。
このように振り子のように首が振れてしまうのは、首が重い頭を支えているからです。ヒトの頭の重さは、体重の10分の1もあり、体重60㎏の人なら6㎏、70㎏の人なら7㎏です。強い衝撃を受けると、これがおもりになって首は大きく前後に揺すぶられます。
ふだんの首の可動域は、前(屈曲)、後ろ(伸展)はそれぞれ60度前後、左右の側屈は50度前後だといわれています。ところが、強い衝撃を受けてその可動域を超えたとき、頸部に強い力が加わって軟部組織を傷つけてしまうのです。
頸部の損傷は、筋肉や靭帯だけでなく、脊髄や脊髄神経(末梢神経)にまで及ぶことがあります。すると神経性の症状が出て、治療もむずかしくなってきます。
ちなみにむち打ち症という名前の由来は、衝突したときの首の動きが、あたかもむちがしなるように動くからだという説があります。
医学的には「頸椎捻挫」や「外傷性頸部症候群」と言われます。
具体的には、むち打ちのほとんどをしめる「頸椎捻挫型」の他に、「バレリュー症候群型」「神経根症状型」「脊髄症状型」など症状により複数のタイプに分けられ、対処の仕方も異なりますので、必ず早めに病院等を受診し、症状にあった治療を受けて下さい。