きちんと治せる治療家との出会いが大事

ここが治療の潮時というのは、あるのですか。

　これくらいのケガならこれくらい、という目安はあります。むち打ち症の場合、状態にもよりますが、完璧によくなることはほとんどありません。ですから、潮時というのはむずかしいですね。しかし、だからこそ、よい治療家にめぐり会うことが大事です。きちんと手当をしてくれないようなところで治療を受けていると、状態は改善していないのに、ズルズル時間ばかりかかってしまい、結局、保険会社から「そろそろ」といわれてしまいます。

どこの治療院を選ぶかが重要になってきますね。

　そうですね。ある程度の期間の中で、きちっと治せるかどうかですね。結局、本質は何か、ということではないでしょうか。保険会社も治療院も、本質を忘れて自分の利益だけを追求していたら、誰にとってもよい結果はもたらされません。

　事故を起こしたとき、最終的な着地点は、被害者が元の生活に戻れることです。そのために、保険会社は治療費等を補償し、治療院は治すことに力を注いで一生懸命施術する。そういうレベルの人がもっと増えないと、いつまでたっても被害者が１００％満足できるような着地点には到達できないでしょう。保険会社の担当者も、治療院の先生方も、被害者のことをいちばんに考えられるような人が増えてくれるといいですね。